金地院は、南禅寺参道の南に位置する塔頭寺院です。1400年頃、四代将軍足方義持により大業徳基を開山として洛北に始まった禅寺です。のちに南禅寺山内に移され、南禅寺住持となった以心崇伝(本光国師)の自坊になります。
方丈南庭
方丈南庭の正面には蓬莱山と三尊石組、そして2畳ほどの大きさの礼拝石を配し、左手には大きな亀島が頭を右側に向けて、右手には鶴島が頭を左側に向けて造られています。神仙蓬莱思想を体現し、長寿と繁栄を願ったメッセージを込めて、このようなモチーフが選ばれたとのこと。大海を表す白川砂には雲母を混ぜて光り輝くように整えられ、この部分を大きく見渡すと、蓬莱へと向かう大船の形になっています。めでたい要素があちこちに散りばめられたお庭です。
東照宮へ至る道
そして忘れてはならないのは、奥手の植栽の裏手に徳川家康を祀る東照宮があるということ。金地院は、徳川家の繁栄を願って造られたお庭であるということを覚えておくと、一層の深みを持って鑑賞できると思います。
その他の見どころ
筆者は、15時30分からの特別拝観で長谷川等伯の絵画や八窓席も見ました。こちらもかなりおすすめです。