南禅寺本坊は、臨済宗南禅寺派の本山です。この地に離宮を造営した亀山上皇は、のちに出家して法皇となりました。離宮を寄進して大明国師を開山とする禅寺となりました。南禅寺の山門は、歌舞伎「楼門五三桐」で石川五右衛門が『絶景かな』という大見得を切る場面として知られています。
方丈南庭
南禅寺の方丈南庭は「虎の子渡しの庭」という風に呼ばれることもあり、大きな石を親虎、小さな石を仔虎と見立て、せせらぎの側を歩いてる様子を写しとった庭と表現されることもあります。ふつう石組といえば2つ以上の石を組み合わせたものを言いますが、ここでは一つづつ据えるという使いかたがなされています。
東側に大きな石と植栽がまとまって配され、近くで見るとかなりのインパクトがありますが、西側に向かってだんだんとサイズ感が小さくなってゆく構成のおかげで窮屈な印象はありません。遠近法を取り入れ、お庭を広く見せる工夫がなされています。
その他の見どころ
方丈と小方丈とで見ることができる狩野派の襖絵も素晴らしいものです。