天龍寺は、嵐山の渡月橋をすぐの場所に位置する臨済宗天龍寺派大本山です。1339年吉野で亡くなった後醍醐天皇の菩提を弔うために、足利尊氏が夢窓国師(夢窓疎石)を開山として創建しました。
もとこの地は檀林皇后(嵯峨天皇の后)が開創した檀林寺があったところで、後嵯峨上皇の仙洞御所・亀山殿が営まれた地です。天龍寺は京都五山の第一位でもあります(その他の五山は南禅寺、相国寺、建仁寺、東福寺、万寿寺)。
一番の目玉でもある「曹源池」庭園は夢窓礎石による作庭で、国の史跡・特別名勝第一号でもあり世界文化遺産です。連日多くの人々が訪れています。
曹源池庭園
天龍寺の曹源池庭園は、夢窓疎石作庭の、方丈に対して西側に位置する池泉回遊式庭園です。一番の見所は正面奥に集まる滝石組を中心とした石組みです。間近まで迫ることができないのが残念ですが、龍門瀑形式で見応えのある鯉魚石(同時に不動石としての顔も持つ)が滝石組の前に位置します。躍動感のある動きを感じます。
その他、滝石組の前に配された石橋は水平な直線型を庭園に持ち込み庭園に引き締まるようなリズムを演出していますし、方丈からみて手前の出島と護岸石組みは庭園の広がりに対して奥行きと遠近感を一層与える効果を発揮しています。
鋭く尖った立石に寄って表現される蓬莱山(鶴島)と北側の丸い亀島、南側の夜泊石など、見どころも満載です。
曹源池庭園の北側から方丈を眺めるとこのような景色で、山が池に映り込む様子も美しく良いものです。